家族介護の現場
「夫とは離婚」が増えています。
周りから見る何の問題もない幸せな家族にある出来事がありました。
その家に住む40歳前半の主婦には2人の子どもがいます。
主婦は、子どもが小学校を卒業したのを機に2人を連れて家を出ることにしたのです。
急になぜこんな行動にでたのでしょう。
夫との関係に問題があったのでしょうか?
主婦に飽きてしまったのでしょうか?
子どもを海外に留学させるためだったのでしょうか?
いろいろ考えてしまいますが、夫との関係に問題があったと言えるのかもしれません。
では、夫はどういう人だったのでしょうか。
普段からまじめで、暴力には無縁の人だったそうです。
ただ、家事・育児にはまったく手を出さず、仕事一筋だったのです。
それでか…と思われた方、まだ続きがあります。
妻が家を出た理由は、義父が体調を崩したことから始まりました。
「もし、義父が動けなくなり、介護が必要になったのなら、誰がするのだろう…」
こんな疑問が出てきたのです。
普段の夫との関係や態度を考えると、先は見えている、と考えての行動でした。
現在、こうした介護が実際に必要になる前に離婚をするという「介護前離婚」が増えているようです。
40歳から50歳代の女性に多いのです。
これには、パターンが2つあり、1つが上記の例のように義父母の介護はできない、という理由からです。
2つ目が、実父母の介護をしたいから、という理由からだそうです。
なんだか男性が悪者のようになってしまいましたが、もちろん男性の中にも、親の介護について真剣に考え始めている人も増加してきているといいます。
介護前離婚といっても即離婚できる状態にある人は少数でしょう。
こうした事態にならないために、また悩まないためにも、日頃からの夫婦のコミュニケーションや家事・育児の分担などの積み重ねが必要なのでしょう。
しかし、こうした介護については、一家庭だけのことではなく、誰しもがいずれ直面することです。
介護をしながらでも働ける環境を整えたり、ひとり一人の理解を深めていくことが重要になっています。
自分が高齢者になったときどんな社会であって欲しいのか、どんな環境であって欲しいのか、どんな人に、どんな介護をしてもらえるといいのか。
自分だったらどうなのか、そんなことから考え始めてみたいものです。
『切抜き速報 高齢福祉編』 2009年9号20頁に記事転載
【編集部.K】







