メモとペン
落ち着いて認知症ケア
認知症の親や配偶者を介護するのに悩まない人はきっといないでしょう。
分かっていても、イライラ、やいやい、ついつい大声を出してしまったりということもあることでしょう。
今日は、いつものケアマネジャーやヘルパーと一緒に一呼吸して落ち着くことのできる方法を紹介します。
用意していただくのは、ペンとメモ帳です。
準備はできましたか。
相手の似顔絵を描くのかな?と思われた方、少し違います。
もしかするとそれも1つなのかもしれませんね。
しかし、今回書いて頂くことは、相手の生活習慣や毎日の体調の変化です。
大きく3つあります。
1つ目は、暮らしの様子です。
食事やおしゃれの好み、好きなTV番組、趣味、苦手だったこと、など長年なじんだ習慣と現在の様子を並べて書きます。
2つ目は生活史です。
誰とどんな暮らしをしていたのか、どんな職業についていたのか、です。
そして3つ目は24時間の気分の変化です。
1日24時間の気分を「非常によい」「よい」など7段階に分けてどう変化したか折れ線グラフで表すと気分の状態とそのときにどんな出来事があったのかをメモしておくのです。
そうすることで本人のイライラする出来事や落ち着かせる出来事が分かることもあるようです。
こんなに細かくは書けないという方もいらっしゃるでしょう。
そんなときは、例えば趣味は何だったか、好きな音楽は何だったか、ちょっと思いつくことを箇条書きにすることならできるかもしれません。
こうして書き出すことで改めて相手のことを知ることになります。
こうしたメモで「信仰心のあつい方」ということが分かった落ち込みがちだった女性に、ケアマネジャーがでお経を読むよう提案したそうです。
そううすると、以前よりずいぶん落ち着き出したという例もあるそうです。
相手がどんなことで喜んでいたんだろう、どんなことで笑っていたんだろう、また楽しんでいたのかなと、あんな場面、こんな場面を思い出して書く家族自身が、顔を緩め、落ち着きを取り戻す効果もあるのでしょう。
メモといっても何を書いたらいいのか分からない、という方には、専用シートがあるようですので、活用してみてはいかがでしょうか。
怒るより、悲しむより、できれば笑って、喜んで、明るい笑顔で介護ができればと思うのです。
『切抜き速報 高齢福祉編』 2009年10号14頁に記事転載
【編集部.K】







