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2009年09月21日

映画「日の名残り」にみる戦争の影

国際アイコン 大人の恋愛劇だけでない見方

先日、テレビで映画「日の名残り」を放映していました。アンソニー・ホプキンスとエマ・トンプソンによって演じられた大人の恋愛劇を堪能しましたが、この話は1930年代と1950年代を交互に描くことによって、時代の中の人間像をとらえてました。1930年代、イギリス貴族の政府顧問が出てきます。彼は当時、ヨーロッパで勢力を伸ばしつつあるナチス・ドイツについて、イギリスとフランスの政府に影響力ある人物を交えての私的な会合をもって、ドイツの戦争への動きを止めようとする会議を主宰する人物でした。この作品ではイギリスとフランスの高官もドイツの伸長の食い止めに成功したかのように描かれます。オブザーバーとしてアメリカの若手議員も参加していましたが、その議員の警告を英仏とも聞き入れることなく、ドイツの伸長を阻止したかに見えました。そして1958年の時点で、主人公は仕えた貴族の名を出すやナチス・ドイツの侵略を許した売国奴として咎められます。貴族は自分の力でヨーロッパを戦火にさらすまいとしての行動でしたが…。それは大戦前のミュンヘン会議にもいえます。参加した英国のチェンバレン首相は帰国後、会談は成功した、これでヨーロッパは救われるという声明を発表しましたが、それは無残にも裏切られることになりました。このような時代の背景を知ることも、映画を観る楽しみでもあります。そのナチスの残した痕跡が「アンネの日記」でも読めるでしょう。「アンネの日記」については「コラム歳時記」に掲載しました。

コラム歳時記』 2009年10号73頁に記事転載

【編集部.T】


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