家系図に興味集中?
家系図にはちょっとイヤな記憶が
家系図に興味を持つ人が増えているそうです(産経新聞2009.08.25朝刊)。
そんな雰囲気は感じていました。
家系図作成ソフトなんかもけっこう注目されているようですね。
人々がなんらかのよりどころを求めているのではという話です。
いろいろつながっていたいという。
それだけ人と人のつながりが希薄になっていっているという証拠なのかもしれません。
気になる話ではあります。
でも、誰とつながっていたいのでしょう?
あくまでも、計算上の話ということですが、現代日本人のほとんどは紫式部さんの子孫らしいです。
一人当たり7回は紫式部さんの血が入っているという説も見たことがあります。
計算してみると、たしかにそのくらいになりそうな感じです。
くどいようですが、あくまでも計算上の話です。
でも、その程度に無意味なものとは言えるでしょう。
類推(や、希望的観測を)せず、完全に事実だけで家系図を作ることが可能だとしても、歴史上の任意の誰とでも、おそらくは自分をつなげてしまうことはできるはずです。
そして、現代をともに生きるあらゆる人々は血縁だとも言えるわけです。
ということで、正直なところ家系図なんてものには興味はありません。
むしろイヤな思い出があります。
家系図の話を聞くごとによみがえってくる記憶。
このテーマなら、ちょっとヒューマンな方に持っていくのがいいのでしょうけど、どしてもこっちに。
ずっと以前、ある日の早朝、電話がかかってきました。
これまでに何度も会ったというほどではない親戚からでした。
その内容は…
「最近、わが○○家の家系図が見つかった。すばらしいものだから、一度見に来なさい」
というものでした。
「ナントカ源氏のナントカという武将が始まりなのだ」と、詳細な説明が始まりました。
とりあえず、「はいはい」と聞いておくしかありません。
メモも取りながら。
目上の人は敬うのが基本方針です。
ただ、そのときすでに、上の方に書いたような計算を知っていましたから、家系図というものには意味を見出せないのでした。
でも血はそんなに遠くない親戚です。だからムゲには断れません。
「これから出勤だから」とかなんとか、あいまいな言い逃れでその場をしのぎました。
それでも電話を切るまでに1時間・・・
それからです。
毎日のように朝の6時、7時頃に電話がかかってくるようになったのです。
「親戚の中で、お前だけがウチに来ない」と。
結局、顔を見せに来て欲しいというのが本音だったのかもしれません。
血縁の押し売り?というような言葉が頭に浮かんできました。
あまりの電話攻勢に疲れて、我が家には今、電話はありません。
いちおう最後に「すみませんけど行く気はありませんので悪しからず」ときっちり断りはしておきましたが。
先のことを考えると、つながりを持っておくことも悪くなかったのかもしれないのですけど。
そのとき感じたのはイヤな思い。
何か切ってはいけないものをプッツリと音を立てて切ってしまったような、断腸な思い。
後悔はしてないけど、後ろめたさは充分に感じさせられ、いまだに残っている辛い思い。
でもまあ。
つながっていたい人が家系図を求めるのはいいと思います。
そういうこともまた、必要なのでしょう。
でも、他人につながりを強要するのは、ちょっとなぁとは思います。
「切抜き速報 食と生活版」 2009年11号83頁に記事転載
【編集部.M】







