外国人に偏見をもつか?
記事と映画から考える
ドイツでイスラム教徒のエジプト人女性が殺害された事件がありました。殺害された女性はヒジャーブとよばれるイスラム教徒の女性のスカーフをかぶっていたためでした。女性の夫は遺伝学者ですが、止めようとして警察に撃たれて重体となっています。イスラムの風体をしているだけで、西洋諸国になじまぬイスラム人と見られたことが原因になっているようです。被害者は普通のエジプト人で過激なテロリストとも何の関係もありません。そんな外国人を簡単に殺害したことは、ヨーロッパ圏でも寛容な国と思われていたドイツでの出来事だけに、衝撃的でした。先般、「正義のゆくえ」というアメリカ映画を見ました、移民を取り締まる部局に勤めている主人公の話です。かつてアメリカは移民の国として、移民を受け入れることで今日の繁栄をもたらせたのですが、9・11事件の後、アメリカに入国する外国人を厳しく審査しています。まして不法移民とあらば、強制退去処分になります。この作品では、移民取り締まり部局の主人公が善意で対応しようとしても、その善意が通用しない事態を描いていました。そこには寛容の国アメリカという図式はありません。違法な入国者は徹底して排除されます、しかしその不法移民を低賃金で雇う企業もまたアメリカにあるのです。外国人の排除が徹底するとナチスドイツのアーリア民族こそが世界を治める唯一の民族だとして他国を蹂躙し、結局、崩壊の道をたどりました。外国人異端視はなにもドイツに限りません、日本にもないとはいえません、あの人はちょっと変わっているというだけで偏見の目で見る社会もまた存在しています。ドイツでのエジプト人女性殺害については「社会版」に掲載しました。
『切抜き速報 社会版』 2009年10号90頁に記事転載
【編集部.T】







