« 環境からの贈り物 | メイン | 天神祭り »

2008年07月27日

●小池栄子迫真の演技

小池栄子主演の「接吻」という映画を見ました。

今年の女優の中で傑出した演技として「ぐるりのこと。」の木村多江がいます。流産から、子どもの喪失感から、精神を病んでいく女性を見事に演じきった木村に2008年の主演女優賞の有力な候補と思いましたが、ここに小池栄子という女優が出て、木村と主演女優賞を争うかもしれないほど優れた演技を見せてくれました。

会社内では、同僚らにいいように使われて、そんな自分をいやになりつつ、不満をかかえたまま一人暮らしをする女性でした。そんな彼女が理由なき無差別殺人犯の男が逮捕される寸前に、カメラに向かって不適な笑顔をテレビで見たときから、その犯人のことを知りたくなり、恋愛感情さえ、芽生えてくるのでした。誰からも相手にされない、孤独な男と彼女の職場での生活があまりにも酷似していると自分で思ったのです。裁判に傍聴に行く。国選弁護人である弁護士にも近づく、親族である犯人の兄と弁護士と同席で話を聞くなどして、のめりこんでいきます。自らの生活と犯人の家庭環境およびその性格を自己と同一視してしまうのでした。 最後における、驚くような結末が用意されています。

以上があらましですが、そこに描かれているのは、まぎれもない現代日本人の精神構造の一部を思い切ってデフォルメした女性ドラマであり、犯罪映画であり、今日的な重い意味をもつ優れた作品であると確信しました。あの秋葉原の事件の犯人のように動機なき、理不尽な殺人を犯す人間の何ともしれぬ得たいの知れない人間像、すべての人間関係を拒絶する人間、またそういう人間に過度にのめりこんでいく人間などを観客の前に提示することで、閉塞状況の中で、発散することもできなく、自己の積もる思いを聞いてもらえる相手も見つけられない人間を描いたドラマでした。監督は万田邦敏という人ですが、本作を脚本を彼の妻と二人で書き、演出をしました。こんな優れた監督がいようとは全く知りませんでした。今後、注目していい人でしょう。

 ランキングサイトに参加しています。ご協力よろしくお願いします。

人気blogランキングへ ブログランキング・にほんブログ村へ ビジネスブログ100選 ブログ王ランキング
このエントリーを含むはてなブックマーク

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://nihon-mic.co.jp/mt/mt-tb.cgi/6002

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)