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2008年07月28日

●林静一、つげ義春という漫画家

1967年から始まったアングラ系の漫画家、ガロ系の漫画家について書きます。

青林堂という大人の漫画というか純文学のような漫画を発表させている漫画雑誌が創刊されたのは1964年のことでした。白戸三平という忍者漫画「カムイ伝」という漫画を連載し始めたところ、小学校高学年から、中学生にかけて爆発的な人気が出てきたのです。当初、貸本漫画「忍者武芸帳」で注目され、この貸本のシリーズは版を重ね、青林堂という発売元を潤しました。それならという形で、漫画雑誌発行に踏み切ったのでした。

子ども向けの漫画から、当時は劇画といわれるややアウトロー的な内容をもつ、漫画家に執筆してもらいました。そこで登場したのが、つげ義春であり、林静一であったのです。もっと書きたい漫画家はいますが、今回はこの二人に絞って書きたく思います。つげ義春の「ねじ式」という作品はシュルレアリスムのような、不条理の世界を描いた傑作となりました。昭和の一桁の世代の世界を思わせる、懐かしいようでいて、その実、違ってもいるような 不思議な世界を描ききったのでした。当時の大学生が新しい漫画の読み手として登場してきました。そんな中で出てきたのが、つげ義春であり、林静一でした。林は後にグラフィックデザイナーとしての素質を開花させる方向に行きました。「ガロ」で発表した「赤色エレジー」は見事な作品でした、孤独と哀切とをヒトコマ、ヒトコマに込めた絵は読者の心に染み入ってくるものがらいました、戦前の竹久夢二のような感じを受けた人が多かったのではないでしょうか。筆者の見るところでは、夢二よりモダニズムがあると思うのです。夢二の叙情性と哀切感にモダニズムを併せたような見事なタッチが読者を酔わせたといっては過言でしょうか。それほど優れた漫画でした。漫画というより、映像感覚を感じました。

忍者武芸帳影丸伝 (1) (小学館文庫)
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