●本の装丁
夏目漱石、谷崎潤一郎は装丁についても一家言ありました。
岩波書店から出ている漱石全集の表紙は漱石が生前に気に入った装丁のものを使用しています。代表作が収められている「鶉籠」にはこったつくりの函と本の表紙がいかにも、漱石が気をいれて、本作りにも取り組んだかがわかります。「吾輩は猫である」も3巻本として表紙のネコのデザインも斬新なものがあります。「坊っちゃん」の挿絵も面白いものでした。漱石の懇意にしていた日本画家・津田青楓とはよほど気に入ったのでしょう。かなりの本の装丁や挿絵も彼に依頼しています。近年なら谷崎潤一郎もまた本の凝りようが人一倍で特に戦前の本は美本が目立ちます。「刺青」や「春琴抄」には内容もさることながら、本自体が美術になっているといっていいでしょう。
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