●淀川長治生誕100年
映画評論家・淀川長治が生まれて100年です。
淀川が亡くなって12年になりますが、彼ほど映画を庶民に親しませた人間はいないのでしょうか。戦前は、アメリカ映画の配給会社に勤め、戦後は映画雑誌社「映画の友」の編集長を長年勤めた後(その会社が倒産したので)、映画解説者に転じ、そこからテレビでもあのお馴染みの名調子で映画を語る人として、一時代を築いたといってもいいでしょう。筆者が知っているのは、雑誌「映画の友」を母親が読んでいた時期がありました、当時は今のようなグラビア主体の映画雑誌とは異なり、谷崎潤一郎や三島由紀夫、歌舞伎俳優の文章や座談が載っており、どちらかというと、文芸的な映画雑誌といった趣がありました。戦後の名画といわれる「第三の男」「禁じられた遊び」「恐怖の報酬」などの欧州の秀作群の評論などが載った文字通りの映画愛好者の雑誌でした。ファン雑誌というより、これらの秀作を映画愛好者に広める役割をした雑誌の編集長であったと解しています。晩年の20年ほどは、映画をやさしく、わかりやすく語る人に変身して、日本中にファンを増やして行きました。まさに映画伝導師・淀川となったのです。映画のシーンを語ることで、映画館に行ってみようという気にさせる名解説でした。
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